昭和初期に9代目当主が、山形市門伝にあった蔵を譲り受け、この村木沢の地に移築しました。
築100年を超える蔵が、当時の姿のまま残っている、歴史的にも貴重な蔵です。
元々は上客をもてなす為に使用していた座敷蔵でしたが、母屋改築後から半世紀近く使用されなくなっていました。
現在の11代目当主が「先祖達のおかげで今の私たちの暮らしがある。そのことを忘れないよう、壊さずに新たな息吹を吹き込みたい」と、自ら蔵に手を入れて、床材を張替え、壁を塗り、セルフリノベーションで蔵を再生しました。
当主の妻が音楽家で、音楽好きな方々が気軽に演奏できて、生の音楽に触れることができる、蔵の柔らかな美しい響きに包まれ、楽しく集える場所にしたいという思いから、この蔵をピアノがあるアートスペースにしました。
設置したピアノは、プロピアニストより譲り受けた、ヤマハのアンティークピアノ。
蔵のレトロな空間に合う、温かでぬくもりのある響きを持ち、音を反響しすぎない土壁がピアノの音を柔らかく包み込み、心地良い空間となっております。